良い病院の見分け方を知ってかかりつけ医を選ぼう

良い病院の見分け方

世の中には数多くの病院やクリニックが存在していますが、その中から良い医療機関を選ぶのは難しいものです。そのため、良い病院かどうかを見極める力を身につけることで、より良いかかりつけ医を選ぶことができるでしょう。まずは何に着目するべきなのか、どんな病院は避けたほうがよいのか、情報の入手方法など、良い病院を見つけるために必要なポイントをご紹介します。

良い病院の見分け方

標榜する診療科の数

診療科目が多いとその分、経験豊富な医師がいる病院なのではないかと思いがちですが、それは病院の規模に対して診療科目の数が見合っているかどうかが見極めるポイントになります。
小規模の病院なのに豊富な診療科目が提示されている場合、患者数獲得のために経験の乏しい専門外の科目を含めているケースもありますが、患者側が見極めるのは難しい問題です。
そんなときには、その病院が何を専門分野としているのかを調べてみるとよいでしょう。
病院のHPなどの掲載情報から、力を入れている診療科目を把握することができます。専門以外の診療科目においては、HPの最後のほうに添えるように記載されているようであれば、専門分野とは言い難いかもしれません。
かかりつけ医を見つける判断材料の一つとして、病院のHPもしっかりとチェックしておくとよいでしょう。

病院の規模に対するスタッフの数

医療業界の人手不足が深刻とされている現状で、良い病院かどうかを見極めるためにはスタッフの数にも注目しましょう。大きな病院で一人の医師が担当する患者の数があまりにも多い場合、まわりの看護師たちも過重労働になっていることが考えられます。
院内をバタバタと走り回るように忙しく動いているスタッフがいる病院だと、患者一人ひとりに手が行き届いていない可能性が高いでしょう。
実際に医師共にスタッフの数が充足している病院では、医療ミスや医療事故を未然に防ぐだけの力が備わっています。そのため、病院の規模に対する医師の数と看護師などスタッフの人数が見合っているかどうかは病院を見極める上で大切なポイントです。
また、看護師の中に同一の病院で長く働いているようなベテランスタッフが在籍しているかどうかによっても病院の良し悪しがわかると言われています。若手の看護師が多かったり、人の入れ替わりが激しいところなどは、看護師の教育や給与面、福利厚生などに問題を抱えている可能性もあるでしょう。病院のHPで常に求人募集があっているところなどはスタッフの離職率が高いことが予測されます。
長く働いているベテラン看護師がいるということは、医師側も安心して診療できる環境が整えられていると考えられ、スタッフにとっても患者にとっても居心地のよい病院と言えるでしょう。

スタッフの応対

スタッフへの教育が行き届いている病院は、良識のある医師がいると評価される場合もあります。
病院の顔とも言われる受付の対応はもちろん、電話の応対や案内の仕方、ちょっとした気遣いなど、さまざまな行動が病院の評価となるのです。病気でつらい状態で待合室にいるときに、看護師やスタッフからの何気ない気配りに心が救われた患者も多くいます。例えば、熱で座ってるのもやっとな状態のときに、スタッフから「中のベッドで横になりますか?」と声をかけられたケースや、周りに聞かれたくない話を小声にトーンダウンして配慮してくれるといったケースなど、ちょっとした心配りで病院への信頼度が上がる場合もあるでしょう。
また、笑顔での対応や話すスピード、名前を呼んで応対するといった些細なことも病院の価値が高まる要素でもあります。
何気ない気遣いができるスタッフがいるのは、病院側がしっかりとスタッフの教育に目を向けている証拠と言えるでしょう。

医師の対応

今では紙媒体のカルテではなく電子カルテが普及しているため、診察室にはパソコンなどのモリター画面が2つほど置かれている場合が多いでしょう。
診察時には、電子カルテを移した画面を見ながら診療する風景がよく見られるようになってきました。とはいえ、診察するのはモニター画面ではなく患者本人です。電子カルテはあくまでも患者情報を記録しておく媒体にすぎません。そのため、良い医師がいる病院の診察室では、医師の身体がしっかりと患者に向いた状態で診療が行われている事でしょう。真正面から向き合い、症状を本人に聞くというコミュニケーションはとても重要です。患者との会話や目と目を合わせて表情を見るといった向き合う姿勢によって、患者からの信頼を得ている部分もあります。
また、患者の質問にしっかりと答えているかどうかも見極めるポイントの一つです。質問への回答が見られる医師は自分に自信をもっていることが伝わってくるでしょう。
患者が納得できる説明をすることで初めて治療への同意を得ることができます。
このインフォームドコンセントは、投薬や手術、検査等の医療行為を行う上で欠かせないものでもあるのです。事故防止にもつながるインフォームドコンセントの行為を実施している病院は、患者への意思確認を重視していると言えます。

セカンドオピニオンの対応

診断してもらった医師とは別に、改めて別の医師に診断をしてもらうセカンドオピニオン。納得のいく治療に望むために第2の意見を聞くこの制度は本来患者のためにあるものです。
しかし、医師の中には、患者が自分の説明や治療方針では納得していないのではないかと思い込んで、プライドを傷つけられたと勘違いをしてしまう人もいます。
またその勘違いから、セカンドオピニオンを申し出た患者に対して、転院や転医を促す医師もいるでしょう。セカンドオピニオンは担当医を変えるものではなく、患者が治療に望むために必要な情報を他の医師からも得るためのものなので、良い医師の場合は快諾してくれるはずです。また、専門分野以外の質問をされた医師が、他の病院などの専門医を紹介するといった対応をとる場合も信頼度が高いでしょう。
もし、他の医師の意見を聞きたいのではなく担当医師を変えたい場合には、転院や転医を申し出る必要があります。治療方針に納得がいかない場合や担当医師と信頼関係を築くことが困難な場合には、素直に自分の考えを伝えて気持ちよく新しいところへ移りましょう。セカンドオピニオンの一見からも、長く付き合っていける医師かどうかを見極める事が大切です。

これまでの実績と評判

診療数や手術などの実績は、病院の信頼度につながる大事なポイントとも言えます。大学教授などの肩書を持つ医師がいる病院だから安心というわけではありません。また、学会での研究成果も同様に、治療を求めている患者にとっては何の役目も果たさないでしょう。やはり何よりも実績がすべてなのです。手術件数や症例数などの臨床実績、成功率、経験の豊富さといった事実が患者に安心感を与えます。
また、病院の評判も実績に等しく、判断材料の一つとなるでしょう。
判断するためのツールとしてインターネットを使った情報検索がありますが、現代のネット社会において病院のHPを開設していない場合や病院名・住所・電話番号といった最低限の情報しか載せていない場合などは、かかりつけ医として選択するのは避けたほうが無難かもしれません。医療従事者として常に周りの医療機関と切磋琢磨し合いながらよりよい医療をサービスを提供しようとする姿勢を示しているかどうかも見極める際に重要なポイントとなります。HPの開設はもちろん、その中で患者に安心感を与えるような細かな情報提供がなされているかが大切です。
また、実際に病院を利用したことがある人のレビューや評価を通して、第三者の目線で良い病院かどうかをチェックすることができます。その際には、院内の清潔度はもちろん、前項目に挙げたような診療科目や看護師の数、スタッフ・医師・セカンドオピニオンの対応などにも着目してチェックしておくとよいでしょう。

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